ヴァイオリン奏者がいつも腐心するものの一つに楽器選びがあります。よい楽器は素晴らしい音色を持ち合わせているだけでなく、演奏者を助け、優れた演奏が出来るように導いてくれるものです。適切な楽器は演奏者の実力を大幅に底上げしてくれるだけでなく、演奏技術の向上をも促すものなので、正しい楽器選びは無視できない事柄であると言えます。
しかし、単に価格の高い楽器や一見音色が魅力的に思える楽器が必ずしもよい楽器とは言えません。実際、市場に流通しているもので、間違いのない、いわゆる「購入して問題ない楽器」は全体の1割程度しかないと言われており、楽器選びの知識が乏しい状態での楽器選定は極めて大きな危険を伴います。場合によっては、生徒やご家族が後年まで経済的にも精神的にも苦痛を負うことになります。楽器や弓の選定はヴァイオリンの演奏と同じく経験と知識が必要です。また、演奏面からのアプローチだけではなく、信頼できる専門家の助言を受けることも大切です。
私は、演奏家と教師の立場の両面から、正しい演奏技術の習得と同等に、正しい楽器選びが重要であると考えています。この観点から、ご相談を受けた場合には、レッスンと同様に真摯にサポート致します。